香川県綾川町を流れる綾川に、優雅なアーチを描いて架かる「滝宮橋(たきのみやばし)」。昭和8年(1933年)に完成したこの橋は、今も現役で地域の交通を支えていて通ったことがあるって方も多いんじゃないでしょうか。
ここでちょっとだけ「滝宮橋」の歴史について触れてみたいと思います!
たび重なる洪水と橋の歴史
橋のある滝宮は菅原道真公ゆかりの地として知られていて、金毘羅街道の宿場町として栄えていたんですけど、近くを流れる綾川は洪水時になると小舟でさえ渡ることが困難だったそう。江戸時代に大里正奥村右衛門が石橋を作ったのが始まりで、その後は洪水によって何度も流され明治・大正時代になっても架け替えられていました。そして、全長は約91.6メートル、幅員は6.7メートルの上路式鉄筋コンクリート「開腹アーチ橋」として生まれ変わったのが現在の「滝宮橋」です。
美しいアーチと、当時の職人技が光る高欄(欄干)のデザインが特徴で、上記の竣工写真と比較してみても今もその面影がしっかりと残ってるのがわかります。
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土木遺産にも選ばれた名橋
平成23年(2011年)、滝宮橋は土木学会が認定する歴史的土木構造物の保存に役立つことを目的とした「土木学会選奨土木遺産」に選ばれました。高松と琴平を結ぶ交通の要所にあり、香川県内で戦前に造られた唯一の開腹アーチ橋。しかも、建設当時の凝った高欄がそのまま残っている点が高く評価されたのです。歴史的にも技術的にも、とても貴重な橋なんですね!
2025年度から補修工事スタート!
しかし、90年以上の歳月を経て橋のコンクリートや高欄には老朽化が進んでいます。そこで香川県中讃土木事務所は、2025年度にも補修工事をスタートする予定です。4月上旬に訪れた時は工事の様子はないものの、建設現場などで用いられる安全通路・資材置き場の意味を持つ緑のカラーコーンが置かれてたので、そう遠くないうちに始まるのかもしれません。
今回の工事では、コンクリート製の高欄を鋼製に取り替え、安全性をアップさせる計画です。対象は車道の両側で、歩道側を歩く方にとってはより安心して利用できるようになりそうですが、この高欄とも今年度でお別れかと思うと寂しい気持ちになりますね・・・
橋に詳しくないので名前があってるのか分かりませんが、橋の両端にある灯籠型の親柱も撤去になるんですかね?90年以上もそのままの形で残ってるのが凄すぎます。
春は桜、橋を渡れば小さな旅
毎年春になると、滝宮橋の周辺は桜が満開に。アーチ橋と桜、そして澄んだ綾川の流れが一体となって見事な景色を作り出してくれてます。そんな橋を歩きながら、昭和の面影に想いを馳せるのも素敵な時間ですよね♪
橋を渡った先には、かつて多くの旅人たちが行き交った金毘羅街道も続きます。滝宮橋は、これから新しく生まれ変わっても、きっと変わらず私たちに寄り添ってくれるのではないでしょうか。
貧相になりますが、圧迫感が無くなって車は通りやすくなります。