皆さんは讃岐の郷土料理「どじょう汁」を食べたことがありますか?
筆者は10数年ほど前、地域の集まりで初体験。でもその時の”どじょう”がちょっとハズレで生臭さが口に残ってしまい、以来ちょっとしたトラウマになっていました。
ところが近年、香川県内で「どじょううどん」を提供するお店が激減!気づけばもう数店舗程度しか残っていないとの噂。これはもう、今のうちにリベンジしておかなければと、意を決して綾川町の老舗うどん店「安藤うどん」へ向かいました。
地域の声から生まれた「どじょううどん」
昭和62年創業の「安藤うどん」は、地元で愛されるうどん屋さん。
ですが、「どじょううどん」を出すようになったのは15年ほど前と意外と最近の話らしく、近くに住むお客さんから
「”どじょううどん”はやっとらんのか?」
という声があがり、メニューに加わったそうです。
そもそも「どじょう汁」って?
「どじょう汁」は、6月頃の田植え前後に川やため池で捕れたどじょうを、野菜やうどんと一緒に大鍋で煮込んで作る一品で、飲食店では「どじょう汁」ではなく「どじょううどん」として提供してたりします。
夏が美味しい!
どじょうは産卵期前の6月から7月が年間で最も美味しいとされ、鰻より脂肪が少なくビタミン・ミネラルが豊富で、煮ると骨まで食べられるため栄養バランスも良く、夏バテ予防の料理としても親しまれていました。
集落の共同作業や寄り合いごとに、男衆がうどんを打って料理したものを皆で食べて親睦を図ってたんだとか。しかし、環境の変化で天然物は激減し、今では殆どが養殖。どじょうは「高級魚」になりつつあるんです。
いざ、実食!
出汁は打ち込みうどんと同じく特製の合わせ味噌仕立てで、主役のどじょうは4尾盛られてます!焼き豆腐に油揚げ、ごぼう・人参・茄子・ネギなど野菜がたっぷり入ってました♪
安藤うどんの「どじょううどん」は、打ち込みうどんとしてはやや細めの麺?ですが、打ち込みらしい弾力があり、猫舌で食べるのが遅い筆者でも最後までゆるゆるに伸びることはなかったです。
肝心の”どじょう”は・・・
おお、これならいける!
たまに内臓の苦みは感じるものの、味噌の風味と好みでトッピングできる唐辛子がいいアクセントになって骨までまるごと完食!
この“どじょう”の下処理にはひと手間もふた手間もかけられており、酒で酔わせてから塩でもんでぬめりや臭みを取るそう。手間ひまに感謝しつつ、ありがたくいただき、無事に克服できました!
うどんのお供も人気!冷たい夏季限定メニューも♪
うどんのお供として定番のばら寿司やおでんのセルフコーナーには、下段にサービスで提供してる自家製漬物や煮物もありました。
さらに「うどんの冷麺」といった珍しい夏季限定メニューも登場しており、そちらも気になるところ。うどんはテイクアウトも可能だそうなので持ち帰りについては事前に問い合わせてみてくださいね!
「どじょううどん」がメニューとして残っているお店は、実際のところどれくらいあるんでしょうか?
伝統の味はこれからも継承されていくとは思いますが、お店で食べられる機会は本当に限られてるので、ぜひ安藤うどんで「どじょううどん」を味わってみてくださいね♪
◇ 安藤うどん
住所:〒761-2207 香川県綾歌郡綾川町羽床上695-1
営業時間:9:30~15:00
定休日:木曜、第4金曜、1月1日~3日
※祝日の場合は別日に振替
駐車場:あり
※営業時間・料金等は記事作成当時のものです。