覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。
何が起きた?
帝国データバンクの集計で、2026年11月に値上げされる飲食料品は1,469品目と判明しました。「主要食品メーカー195社」を対象にした、9月30日時点の数字です。
前の年の同じ月と比べると約10倍。数字だけ見ると「うわ、また値上げか」となります。でも実は、9月の4,965品目・10月の3,153品目と比べると大幅に減っています。帝国データバンクは、2026年の値上げラッシュは10月をピークにいったん落ち着くとみています。
11月の内訳は、調味料644品目、酒類・飲料417品目、加工食品275品目、菓子133品目。調味料と飲料だけで約7割を占めます。
具体的に名前が挙がっているのはこのあたりです。
- キユーピー: マヨネーズ・ドレッシングなど家庭用224品目を約3〜25%値上げ。マヨネーズ450gは税込559円→611円
- アサヒ飲料: 三ツ矢サイダー・カルピスウォーター・ワンダなど151品目を約4〜16%
- サントリー: 131品目。ペットボトルで約5〜12%、缶で約9〜19%
- 伊藤園: むぎ茶・タリーズなど27品を約3.7〜12.5%
いずれも11月1日(日)の出荷分からです。
なぜ話題?
値上げの品目数は減っているのに、家計の体感はむしろ冬に重くなるからです。
カギは光熱費です。2026年夏の電気・ガス料金支援(電気3.5円/kWh、都市ガス14円/㎥の値引き)が9月使用分で終わりました。10月使用分、つまり11月の請求分から、この値引きがなくなります。
ここが大事なところ。単価そのものが上がったわけではありません。でも値引きが消えた分、請求額は増えます。食品の値上げと暖房を使い始める時期と補助の終了がちょうど重なる。だから「減ったのに苦しい」が起きるのです。
灯油については、2026年11月〜2027年3月分で輸入分の差額を補助する新しい仕組みが始まります。冬の電気・ガス補助も政府が検討中と報じられていますが、これはまだ正式決定ではありません。
つまり簡単に言うと、値上げ品目は減ったけれど、マヨネーズ・飲料に加えて光熱費の補助が切れる冬が重なり、家計の負担は増えるという話です。
覆面が気になったところ
小生がまず引っかかったのは、「1,469品目」という数字の使われ方です。
これは195社の、しかも9月30日時点で分かっている分です。日本中のすべての食品の数でも、日用品を含んだ数でもありません。後から企業の発表が増える可能性もあります。見出しの数字はインパクトがありますが、そこだけで世の中全部を測らないほうが安全です。
もう一つは光熱費の「値上げ」という言葉。今回の冬の負担増は、単価が上がったのではなく補助が終わったことによる実質増です。言葉が同じ「負担が増える」でも、原因が違えば打てる手も違う。ここを一緒くたにすると、何に備えればいいか分からなくなります。
反対側から見ると
メーカーの側にも事情はあります。2026年の値上げ要因は、原材料高が91.3%で最多。次いで物流費66.0%、エネルギー63.8%。キユーピーもマヨネーズの理由を中東情勢による原材料・資材の高騰と説明しています。
つまり「儲けたいから上げた」という単純な話ばかりではない。コストが上がれば、どこかで価格に反映しないと商品そのものが続かなくなります。値上げで収益が改善するという見方もあり、キユーピー株は発表後に上がったと報じられています。
作る側が続けられなくなれば、棚から消えるのはもっと困る。そこは冷静に見ておきたいところです。
覆面のひとこと
値上げの数が減ったニュースを「落ち着いてきた」と読むのは早い。小生が思うに、冬の家計を本当に押すのは、マヨネーズ一本より、気づかぬうちに消えた光熱費の値引きのほうかもしれません。単価は変わっていないのに請求が増える——この静かな負担増こそ、11月にいちばん見落としたくない一点です。
まとめ
- 11月の値上げは1,469品目(195社、9月30日時点)。9〜10月より大幅減
- キユーピー・アサヒ飲料・サントリー・伊藤園などが11月1日出荷分から値上げ
- 夏の電気・ガス補助は9月使用分で終了。11月請求分から値引きが消える
数字は増減しますが、冬に備えて暖房の使い方を見直すのは、今からでも遅くありません。
中讃地区は雪こそ少ないけれど、冬は風が冷たく、灯油やエアコンに頼る夜は長い。補助が切れた請求書が届く前に、家の暖の取り方を一度だけ家族で確かめておきたいところです。


