覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。
何が起きた?
産業能率大学のコンテンツビジネス研究所が、「学生メディア・コンテンツ利用調査2026 -生成AI編-」という調査結果を発表しました。
対象はこの大学の在学生2607人。文章や画像を自動で作ってくれる「生成AI」を、日常的に使い続けている学生が84.5%にのぼりました。前年(2025年)は57.7%だったので、1年で約27ポイント、およそ1.5倍に増えたことになります。
使ったことがある学生まで含めると96%。ほぼ全員が一度は触っているということになります。
なぜ話題?
数字の伸びが、あまりにも急だからです。
よく使うサービスを複数選んでもらうと、ChatGPTが90.4%で断トツの首位。一方でGoogleのGeminiは、前年の12.3%から49.5%へと約4倍に増加。1強だったところに対抗馬がぐっと近づいてきた形です。
さらに「生成AIが使えなくなると困る」と答えた学生が83.8%。学習や調べものだけでなく、会話・相談、就職活動にも使い道が広がっていると報告されています。
つまり簡単に言うと、ある大学の学生の8割以上がAIを使い続け、8割が「無いと困る」と答えたという自校調査の結果です。
覆面が気になったところ
これが「1つの大学の中で聞いた調査」だという点です。全国の大学生を代表する数字ではありません。ここは発表側も報じた側もはっきり断っています。だから「日本の大学生の8割が」と読み替えるのはちょっと足が速すぎます。
そのうえで、小生が引っかかったのは「使えないと困る」の8割です。便利なのは分かります。ただ、この回答はアンケートの自己申告。実際にどれだけ頼っているかを行動で測ったわけではありません。「困る」と感じることと依存していることは、必ずしも同じではないのですね。
もう一つ。学年ごとの使い方の違い(1年生は雑談や相談、4年生は就活書類など)や、「1強から併用へ移りつつある」という見立ては研究所側の分析です。事実そのものというより、数字の読み解き。ここは分けて受け取りたいところです。
反対側から見ると
「そんなに慎重にならなくても」という声もあるでしょう。9割超がChatGPTを使い、学年による差もほとんどない。テクノロジー好きの一部だけの道具ではなくなったという見方には説得力があります。
一方で困る立場もあります。大学や先生です。レポートを本人が書いたのかAIが書いたのか。成績のつけ方や課題の作り方をそろそろ本気で考え直さないといけません。学生側にも、AIの答えが正しいか確かめる手間が新しく増えます。
便利さの普及と使いこなす力の普及は、同じ速さでは進んでいないかもしれません。
覆面のひとこと
数字の勢いは本物です。ただ、勢いのある数字ほど出どころと聞き方を確かめたい。自校調査であること、自己申告であること。この二つを外すと話が大きくなりすぎます。AIに答えを聞く前に、その答えが正しいか自分で確かめる。皮肉なことに、AIが広がるほど、この地味な作業の値打ちが上がっていく気がします。
まとめ
- ある大学の在学生2607人への調査で、生成AIの継続利用が84.5%(前年57.7%)。
- ChatGPTが90.4%で首位、Geminiは12.3%から49.5%へ。
- 「使えなくなると困る」が83.8%。
中讃地区にも大学やキャンパスに通う若い人はいます。就活の書類をAIに手伝ってもらう時代、その一枚が本当に「自分の言葉」になっているか。確かめる目だけは手放さずにいたいものです。



