立方体の体積で「8×8」続出、記述式も苦戦。全国学力テストの分析結果

覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。

何が起きた?

文部科学省が2026年8月3日(月)、小学6年生と中学3年生を対象にした全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)の分析結果を公表しました。今年の調査対象は約180万人規模。実施は4月20日から5月29日です。

報道で目立ったのは算数の一問。1辺が8センチの立方体の体積を求める式を答える問題で、正答率は72.9%でした。正しくは「8×8×8」ですが、「8×8」や「8×6」といった誤答が目立ったと時事通信などが伝えています。

国語では、選んで答える問題より、自分の言葉で書く記述式のほうが正答率が低め。小6が55.1%、中3が45.9%でした。

なぜ話題?

「小6の4人に1人が立方体の体積を間違えた」という見出しが、まず驚きを呼びました。四角い箱の体積は「たて×よこ×高さ」。全部8センチなので3回かけるというのが基本です。

もう一つ話題なのが生活習慣。平日にSNSや動画を1日3時間以上見る割合が、小6で37.3%、中3で49.1%。そして視聴時間が長い子ほど、各教科の平均正答率が低い傾向が見られたと複数社が報じています。

つまり簡単に言うと、体積の式や記述式に課題が見え、動画を長く見る子ほど点が低い傾向も出たという分析結果です。

覆面が気になったところ

まず「8×8」という誤答。これは面積(一つの面)の式です。つまり子どもたちは何も分かっていないのではなく、「面」と「かたまり」を取り違えている。ここが分かると指導のヒントも見えてくる気がします。

小生が引っかかったのは、SNSと学力の関係の伝わり方です。「長く見る子ほど点が低い」——これは相関であって、因果ではありません。日本経済新聞も直接の因果は不明としています。動画のせいで下がったのか、勉強しない生活の中に動画も含まれているのか、それはこの数字だけでは決められません。

「動画を見たから点が下がった」と、この調査だけで言い切ることはできません。

ついでに言えば「4人に1人が誤答」も、正答率72.9%を丸めた見出し表現。約27%なので、正確には「4人に1人よりやや多い」くらい。数字は少し盛られて旅をするのです。

反対側から見ると

一方で、心配する側の言い分もうなずけます。学校の授業以外で平日1時間以上勉強する割合は、小6で50.3%、中3で61.7%。5年前より10ポイント超も下がりました。勉強時間が減り、画面を見る時間が増えている——この並びを見れば、家庭でルールをという声が出るのは自然です。文科省の担当者も、長時間利用で生活習慣が崩れる可能性を指摘したと報じられています。

ただ視聴時間の経年比較は、使う機器が同じでないため単純比較しにくいという注意もついています。数字は慎重に。

覆面のひとこと

体積の式を間違えた子を笑うのは簡単です。でも小生は、大人のほうこそ数字の扱いを試されている気がします。「見出しの27%」「相関を因果と読む癖」——これ、立方体を面積の式で解いてしまうのと、実はよく似た取り違えではないでしょうか。分かったつもりがいちばん危うい。

まとめ

  • 小6算数の立方体の体積問題の正答率は72.9%。
  • 国語の記述式は小6が55.1%、中3が45.9%と、他形式より低め。
  • SNS・動画を3時間以上見る割合は小6で37.3%、中3で49.1%。

都道府県別のデータは秋ごろ公表の予定です。

いつもの食卓でも、8センチ角の豆腐一丁を「面」でなく「かたまり」で見る——数える練習は、案外そんな身近なところに転がっています。

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