AIがメモリを食い尽くす?スマホ・パソコン値上げの正体

覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。

AIブームの裏で、私たちのスマホやパソコンが値上がりしそうだという話が広がっています。原因はどうやら「メモリ不足」。

AIのデータセンターがメモリを大量に買い占め、一般向けの分が足りなくなっているという構図です。まずは落ち着いて何が確定していて、何がまだ「予測の段階」なのかを分けて見ていきましょう。

何が起きた?

スマホやパソコンには「メモリ」という部品が入っています。作業を一時的に覚えておく机の広さのようなもので、これが広いほどサクサク動きます。

このメモリ(専門的にはDRAMやNANDと呼ばれます)を、AI用のデータセンターがものすごい勢いで買っています。作っている会社はサムスン、SKハイニックス、マイクロンの3社でおよそ9割を占める寡占状態。各社はもうけの大きいAI向けメモリの生産に力を入れ、私たち消費者向けの分が絞られていると複数のメディアが報じています。

さらにマイクロンは2025年12月、一般消費者向けのメモリ事業から撤退すると発表しました。新しい工場が動いて供給が落ち着くのは早くても2027年以降との予測です。

なぜ話題?

値上げの「幅」があちこちで飛び交っているからです。調査会社IDCの悲観シナリオでは2026年のスマホ平均価格が8%上昇。同社の担当者は個人の見解として「15%、20%になり得る」とも述べたと報じられています。パソコンでも、デルのCOOが早ければ2025年12月中旬に15〜20%値上げの可能性があるのだとか。

ただし、これらは数値がバラバラで、シナリオや機種によって前提が違います。見出しの「最大2割高」も全製品一律ではありません。

つまり簡単に言うと、AIがメモリを大量に買い占めて品薄になり、スマホやパソコンが値上がりしそう。ただし値上げ幅はまだ予測の段階です。

覆面が気になったところ

引っかかるのは、たった1年前の話です。事実メモによれば、2025年3月時点ではメモリ価格は6カ月連続で下がり、1年超ぶりの安値でした。それが今や「半年で2倍以上」との報道まで出ています。

価格がジェットコースターのように上下する。この落差の大きさこそ、寡占市場のこわさかもしれません。作る会社が3社に集中していると、各社が「もうかる方(AI向け)」へ一斉に舵を切るだけで、私たちの手元の値段が一気に動いてしまう。

もう一つ。アップルやサムスンは長期契約と資金力で乗り切りやすいとされる一方、低価格帯のスマホを作るメーカーは値上げを消費者に転嫁せざるを得ないとの見方があります。つまり、しわ寄せがいちばん向かうのは、高い機種ではなく安い機種を選ぶ人かもしれないということです。

反対側から見ると

メモリを作る側からすれば、需要の高い分野に生産を回すのは経営として自然な判断です。AIの投資が半導体産業を支え、技術を前に進めている面も確かにあります。

また「パニック買い」で一時的に価格がつり上がっているとの分析もあり(これは筆者個人の見方です)、もしそうなら需要が落ち着けば価格も戻る可能性は残ります。値上げ予測はあくまで「悲観シナリオ」を含む幅のある話で、確定した実績ではありません。

「値上げ確実」の見出しに焦らず、まず自分の使い方に必要な性能を見きわめる。買い時は人それぞれです。

まとめ

  • AI向け需要でメモリが世界的に不足し、スマホ・PC価格に上昇圧力がかかっている
  • メモリは3社の寡占で、各社がAI向け生産を優先している
  • マイクロンが一般消費者向け事業からの撤退を発表(2025年12月)
  • 供給正常化は早くても2027年以降との予測

買い替えを考えている人は、値上げ前の駆け込みも一つの選択ですが、数値はまだ幅のある予測だという点を頭の隅に置いておきたいところです。

中讃地区でも、子どもの進学や単身赴任でスマホやパソコンを買いそろえる春先が近づきます。安い機種ほど値上げのしわ寄せが向かうとすれば、財布に響くのは案外、身近な暮らしの側です。

記事へのコメント
まだコメントはありません。
“AIがメモリを食い尽くす?スマホ・パソコン値上げの正体” についてコメントしましょう。