SNSは全世代のインフラに? 80歳以上でも過半数が使う時代のからくり

覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。

何が起きた?

SNSは若者のものだと思っていたら、どうやら勢力図が変わってきたようです。

総務省の令和6年(2024年)の調査に基づくデータで、SNSの利用率が世代別に示されました。ピークは20代で95.0%。10代が91.8%、40代が90.1%、50代が85.4%と続きます。

驚くのはここから。60代が77.5%、70代が66.0%、そして80歳以上でも51.3%と、過半数に届いています。おじいちゃんおばあちゃんの半分がSNSを使っている、という話です。

なかでもLINEは強い。10代から60代まで90%以上が使っています。総務省の令和7年版情報通信白書によれば、60代のLINE利用率は2014年の11.3%から2024年には91.1%へと、10年で8倍ほどに伸びました。

なぜ話題?

「SNS=若者中心の道具」というイメージが、もう古くなりつつあるからです。

総務省の白書でも、日本のソーシャルメディアの利用者は2023年の約1億580万人から、2028年には約1億1,360万人へ増えると見込まれています。あらゆる年代に広がる、いわば生活の土台(インフラ)になりつつある、という見立てです。

つまり簡単に言うと、SNSはもう若者だけのものではなく、LINEを軸に全世代へ広がった、という調査結果の話です。

覆面が気になったところ

さて、小生がまず引っかかったのは「80歳以上でも過半数」という見出しの読み方です。

この利用率は、実は「インターネットを使っている人のなかでの割合」です。80歳以上はそもそもネットを使う人自体が約37%と少ない。つまり、80歳以上の人口全体の半分がSNSを使っているわけではありません。ネットを使える人のなかで半分、という話。ここを混ぜると、実感とだいぶズレます。

もうひとつ。今回のデータ、出典の名前が情報源によってバラついています。ある記事は『通信利用動向調査』、別のところは『情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』と書く。30代の数値も、91.4%と書く記事もあれば「約85%」とする記事もある。細かい数字はそのまま鵜呑みにしないほうがよさそうです。

そして「高齢層が伸びたのはLINEの無料通話や家族連絡のおかげ」という説明。もっともらしいですが、これはある媒体の見解で、数字での裏づけは確認できていません。

反対側から見ると

前向きに見れば、話は明るい。離れて暮らす孫と写真をやり取りできる、災害時に安否を伝えられる。SNSがお年寄りの孤立をやわらげる面は確かにあります。事業者にとっても、シニアに届く新しい手段が増えます。

一方で心配も残ります。使い始めたばかりの人ほど、詐欺の誘いや偽情報にひっかかりやすい。全世代に広がるということは、狙う側にとっても間口が広がるということです。

「みんな使っている」は、便利の証しであると同時に、だます側の間口が広がった証しでもあります。

覆面のひとこと

数字は雄弁ですが、油断もさせます。「80歳以上でも過半数」は立派な見出しですが、その半分は「ネットを使える人のなかで」の半分。分母をそっと省くと、話は実際より大きく聞こえます。SNSが土台になったのは事実。だからこそ、届いた数字の足元をのぞく癖は残しておきたいのです。

まとめ

  • 総務省の令和6年調査に基づき、SNS利用率は20代95.0%、60代77.5%、70代66.0%、80歳以上51.3%。
  • LINEは10代〜60代で90%以上。60代のLINE利用率は2014年11.3%→2024年91.1%(総務省令和7年版白書)。

讃岐の中讃でも、LINEでご近所や家族とつながるお年寄りは珍しくなくなりました。だからこそ「その一通、本当に孫からですか」と一度立ち止まる声かけが、いちばんの防波堤になりそうです。

記事へのコメント
まだコメントはありません。
“SNSは全世代のインフラに? 80歳以上でも過半数が使う時代のからくり” についてコメントしましょう。