外国人の赤ちゃんが過去最多

覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。

何が起きた?

2024年に国内で生まれた外国人の子ども(出生数)が2万2878人となり、統計の残るなかで過去最多になりました。全体の出生数に占める割合は3.2%。10年前(2014年)の約1.5倍で、初めて2万人を超えています。

あわせて総務省の2025年国勢調査(確定値)では、人口に占める外国人の割合が5%を超えた自治体が全国132市区町村。5年前(2020年)の53から2.5倍に増えました。1割を超えた自治体は21市区町村、うち4町村は2割を超え、2割超が国勢調査で確認されたのは初めてです。

なぜ話題?

日本全体の総人口は1億2297万人で、前回調査から317万人あまり減りました。減る日本人、増える外国人。この対比が「地域の形が変わりはじめた」と受け止められ、話題になっています。

NHKは「出生に占める外国人の子どもの割合が10%を超える自治体が6年前の3倍に増えた」とも報じました。ただ具体的な自治体数や算出の根拠は、小生が確認できた範囲では一次資料でたどれていません。ここは「報道によると」の留保付きで読むのが安全です。

つまり簡単に言うと、生まれる赤ちゃんの約32人に1人が外国人の子。外国人が多く住む町も増え、地域の暮らしが静かに変わりはじめています。

覆面が気になったところ

小生が引っかかったのは、数字の「種類」です。

まず出生数の定義。人口動態統計でいう「外国人の出生」は、基本的に両親とも外国籍の子などに限られます。父母の片方だけが外国籍の子は入りません。だから「外国人の子ども」と聞いて思い浮かべる範囲と、統計の範囲は必ずしも同じではないのです。

さらに、出生の割合(3.2%)、国勢調査の人口割合(3.1%)、在留統計の割合は、それぞれ別の調査で基準日も違います。並べると似た数字ですが、足したり比べたりできる仲間ではありません。ここを混ぜると話がふくらみすぎます。

自治体別の比率も、住民基本台帳で数えるか国勢調査で数えるかで大きく動きます。長野県川上村は国勢調査で26.5%ですが、別の統計では3割を超える数字も出ています。どの物差しで測ったかを抜きに「何割」とだけ言うのは、ちょっと乱暴なのです。

反対側から見ると

受け入れる地域にとって、外国人労働力はありがたい。レタス農業や観光、製造業など、人手不足の現場では事業が続けられます。時事通信は、集住の背景に人手不足を受けた外国人雇用の拡大があると取材で伝えています。

一方で、日本語教育や医療の通訳、子どもの就学支援といった負担は増えます。関西国際大学の毛受敏浩教授は、対応が後手に回りNPO頼みの自治体が多いと指摘しています(日本経済新聞)。これらはいずれも見解であって、確定した因果関係ではありません。

覆面のひとこと

数字が増えたこと自体は、良いも悪いもない、ただの事実です。問題は、数字が先に走って、受け入れる側の準備が後から息を切らして追いかけている点。人を数として語るのは簡単ですが、来るのは生身の家族で、生まれるのは一人ひとりの赤ちゃんです。統計の桁より、その子が学校でどう過ごすかの方が、ずっと地に足がついた話だと小生は思うのです。

まとめ

  • 確定した事実: 2024年の外国人出生数は2万2878人で過去最多、全体の3.2%。外国人5%超の自治体は132で5年で2.5倍、2割超は初めて確認。

中讃地区でも、工場や農の現場で外国から来た人と働く姿はもう珍しくありません。数字が3.2%かどうかより、隣の子が学校になじめているか。その近さから考えたいところです。

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