覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。
何が起きた?
時間の世界標準を決める国際的な会議が、長年つづいた「うるう秒」をやめることを正式に決めました。
会議の名前は国際度量衡総会(CGPM)。ざっくり言うと「世界の単位や時刻のルールを決める国の集まり」です。2026年10月15日(木)、フランスのベルサイユで開かれた第28回会合で、加盟69か国の代表が採択しました。
うるう秒というのは、私たちが使う時計(協定世界時=UTC)と、地球の自転に基づく時刻との小さなズレを直すため、たまに1秒を足す調整のことです。1972年に始まり、これまで27回入れられました。最後は2016年の大みそかでした。
なぜ話題?
地球の自転は実はちょっとずつムラがあります。そのズレが積もると、時計と「空の時間」が合わなくなる。だから1秒足して帳尻を合わせてきたわけです。
ところが、この1秒の足し算が今やコンピューターの悩みの種なんですね。ふだん来ない「1秒」が突然割りこむと、システムが混乱することがある。報道によると、過去には航空会社の予約システムや大手ネット企業で障害が起きた例もあったとされます(いずれも今回の決定とは別の過去事例です)。
さらに厄介なのが「負のうるう秒」。近ごろ地球の自転が一時的に速まる現象が観測され、将来は逆に1秒を引く調整が要るかもしれないと指摘されていました。これは過去に一度も実施例がなく、未知の不具合が怖い。そこで「もう調整自体やめよう」となったのです。
つまり簡単に言うと、たまに時計に足していた「うるう秒」をやめ、ズレは最大1時間まで放っておく仕組みに変えます。
つまり簡単に言うと
新ルールでは、時計と地球の自転のズレを最大3600秒(1時間)まで許すことにしました。1秒くらいのズレはいちいち直さない。報道によれば、これで数世紀ものあいだ調整が要らなくなる見込みです(ただし期間の見積もりは報道により幅があります)。
気をつけたいのは日付です。決まったのは2026年10月15日ですが、効力が出る発効は2027年5月20日(木)。「決定」と「発効」は別の日なんですね。
覆面が気になったところ
正直に言うと、小生が引っかかったのは「1時間まで放っておく」という部分です。1秒の調整が面倒だからやめる。それは分かる。でも代わりにズレを1時間ぶんためてよしというのは、散らかりを片づけるのが面倒だから部屋を広くしたみたいな話にも聞こえます。
もちろん、その1時間に達するのは数百年先らしいので、今の私たちの暮らしに影響はありません。朝のニュースも電車も1秒ズレて困ることはないでしょう。
反対側から見ると
賛成側の言い分は明快です。通信・電力・衛星測位(カーナビやスマホの位置情報)など、正確な時刻でつながる仕組みにとって突然の1秒は事故のもと。負のうるう秒という未知のリスクを避けられる意味は大きい。
一方で困る人もいます。天文学者や地球を観測する研究者です。時計と空の時間のズレが広がると、その差を自分たちで補正しないといけない。報道では、過去にロシアや英国などが廃止に反対してきたとも紹介されています(発言としての紹介です)。
覆面のひとこと
1秒を直す手間を省く代わりにズレをためる。便利さの裏で帳尻合わせを未来に回したのは確かです。
時刻のルールは、ふだん誰も意識しません。でも電気や通信を支える土台です。静かに決まった話ほど、あとで効いてくる。そういうものだと小生は思います。
まとめ
- 2026年10月15日、国際度量衡総会がうるう秒の実質廃止を正式決定
- 発効は2027年5月20日
- ズレの許容値を最大3600秒(1時間)まで拡大
- うるう秒は1972年開始、これまで27回挿入、最後は2016年末
中讃地区でも、電車もバスも配達の受付も見えないところで世界の時刻とそろって動いています。1秒の調整は消えても、時間がきちんと合っているありがたさは、しばらく実感しないままでしょうね。


