覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。
何が起きた?
国土交通省が2026年9月4日(金)、道路や鉄道の下をくぐる「アンダーパス」の冠水対策として、全国の国道6か所で事前の通行規制を同日から始めると発表しました。
アンダーパスというのは、線路や道路の下をくぐるために一段低くなった通り道のことです。低いぶん、大雨のときに水がたまりやすい。
対象は北海道釧路市の国道44号、山形県酒田市の国道7号、山形県鶴岡市の国道112号、新潟市の国道7号、鳥取県米子市の国道9号、高知県須崎市の国道56号の6路線。いずれも過去に冠水して車が水没した経験がある、いわば「常習犯」の場所です。
これまでは水がたまってから止めていましたが、今回から警戒レベル4の大雨危険警報が出た時などに冠水を待たずに予防的に止める点です。看板やバリケードで車の進入を防ぐことが想定されています。
なぜ話題?
背景には、2026年8月に千葉市で起きた痛ましい事故があります。記録的な豪雨で冠水したアンダーパスから水没した車の男性が救出されましたが病院で死亡が確認されました。
この事故を受けて、死者が出た千葉県の国道ではすでに事前規制が導入されていました。今回はその対象を全国へ広げた、いわば第二弾です。
つまり簡単に言うと、大雨で水がたまりやすい地下道を冠水する前に先回りで通行止めにする仕組みを国が全国6か所へ広げたということです。
覆面が気になったところ
小生がまず引っかかったのは、対象箇所の少なさです。報道によると、県道なども含めたアンダーパスは全国に3841か所あるとされています。ただ国土交通省のサイトには約3700か所(令和7年3月末時点)との記載もあり、数値には幅があります。いずれにせよ数千か所ある中で、今回はまず国が管理する国道から6か所。数字の落差に正直ちょっと驚きです。
もちろん、危ない場所から順に手を付けるのは理にかなっています。ただ「先行実施」という言葉は、裏を返せば残りは順番待ちということでもあります。
もう一つ気になったのは止め方です。今回想定されているのは看板やバリケード。人が現地に置きに行く方式です。真夜中の豪雨の最中、誰かが現地へ向かう前提だとすると、その一手間の間に水は待ってくれるのか。国も遮断機の設置や報道によれば自動式・遠隔操作式の導入を検討中とされていますが、こちらはまだ「検討」の段階です。
反対側から見ると
利用者からすれば、大雨のたびに通行止めで迂回を強いられるのは面倒です。急ぐ用があればなおさら。「まだ水も来てないのに」という不満は当然出るでしょう。
それでも、水がたまってからでは手遅れになりかねないというのが今回の教訓です。千葉の事故では排水ポンプが停電で動かず、職員が手動で発電機を回して排水したと報じられています(原因は調査中とされ、確定情報ではありません)。設備は点検で正常でも、いざという時に動くとは限らない。だからこそ「入らせない」方向へ舵を切ったと読むこともできます。
便利さより命。この順番を先に決めておくのが「予防的」の本当の意味です。
覆面のひとこと
先回りで止める。言葉にすれば単純ですが、これができていなかったから犠牲が出たとも言えます。看板とバリケードは、正直まだ心もとない。ただ「水が来てから」を「水が来る前」に変えた一歩は、小さくない前進です。あとは6か所が6か所のままで止まらないこと。ここを見届けたいところです。
まとめ
確定した事実は、国が9月4日から全国6か所の国道で事前通行規制を始めたこと、その背景に千葉市の冠水死亡事故があることです。一方、アンダーパスの総数や、遮断機・自動化の導入は報道・検討段階にとどまります。原因や責任に関わる部分は調査中で、断定はできません。
中讃地区にも線路や道路をくぐる低い地下道はあります。ふだんは何ということもない道でも大雨の夜だけは別物です。冠水した地下道は入ってからでは引き返せません。看板が出ていたら遠回りでも従う。それが一番の備えです。



