覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。
何が起きた?
2026年産の新米が、去年よりぐっと安くなりそうです。
JA全農にいがたは8月18日、2026年産の一般コシヒカリの「概算金」を玄米60キロあたり1万8500円に決めました。25年産当初の3万円と比べて、約38%(だいたい4割)の下落です。
北海道のホクレンも8月20日、主力の『ななつぼし』を60キロ1万7000円に。前年の2万9000円から約41%下げました。
「概算金」とは、JAが農家からコメを集める時に前もって払う前払い金のこと。お店に並ぶ新米の値段とだいたい連動する目安になります。この目安が主な産地で大幅に下がった、というのが今回のニュースです。
なぜ話題?
去年の夏は、いわゆる「令和のコメ騒動」で値段が跳ね上がりました。それがわずか1年で一転、今度は下げの話です。
背景にあるのが「コメ余り」。2025年産のコメがまだ大量に残っていて、新米の売り先が見通しづらいのです。報道によると、民間の在庫は6月末で243万トンあったとされます。
値下がりは新潟や北海道だけではありません。九州・四国の早場米も前年比2〜4割安で、JA高知県の早場米コシヒカリは60キロ1万4000円。報道では島根・三重・福井のJAも軒並み4割前後の引き下げを公表しています。
つまり簡単に言うと、コメが余って売れ行きが読めず、農家への前払い金が主産地で前年比4割ほど下がり、新米の店頭価格も下がりそう、という話です。
覆面が気になったところ
家計としては、安くなるのは正直ありがたい。5キロ3000円前後まで下がる見込みと報じられています。去年の高値を思えば、ほっとする人も多いはずです。
でも、ここで小生が引っかかるのは農家側の数字です。
農水相が認めた業界団体が示した「作るのにかかるコスト」の目安は、4月時点で60キロ2万535円。ところが今回の概算金は、多くの産地でこれを下回っています。つまり作る費用より前払い金が安い、いわゆる「コスト割れ」です。
作れば作るほど赤字になりかねない――そんな金額を突きつけられて、これからも田んぼを続けよう、と思えるでしょうか。
安いお米は嬉しい。でも、作る人がいなくなった後の田んぼからは、安いお米すら出てきません。
反対側から見ると
一方で、去年の高値で困った人がいたのも事実です。買い控えた家庭、コメを使う食堂や弁当屋さん。値が下がれば、その負担はやわらぎます。
JA側も、集めたコメが後で高く売れれば「追加払い」という形で農家に還元することを検討している、とされます。ただしこれは今後の需給次第の見込みで、農家の手取りが確定したわけではありません。
中讃地区でも田んぼのお米が稲穂を付け始めています。あと一カ月ほどで安く美味しい新米を味わえることでしょう。



