覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。
何が起きた?
リモート勤務(会社に行かず自宅などで働くこと)を経験した人へのアンケート結果が発表されました。
調査したのは、IT人材サービスを手がける株式会社LASSICが運営する「テレリモ総研」という情報発信メディアです。対象はリモート勤務の経験がある1,004人。
地方や郊外に住んでリモート勤務をしている人は、フルリモートやハイブリッド勤務で21.8%。フル出社の人だと4.9%でした。年代別では20代が32.6%で最も多く、50代は6.0%で最も少なかったそうです。
ちなみに「地方・郊外に住んでリモート勤務」には、移住した人だけでなく、もともと地方に住んでいた人や都心から近くへ引っ越した人も合算されています。
なぜ話題?
「地方が移住の受け皿になる」という見出しは、地方で暮らす小生たちにとって気になる話です。会社に通わず働ける人が増えれば、香川に住みながら都会の仕事をするという選択肢も現実味を帯びます。
自治体の移住担当にとっても、こういうデータは施策の材料になります。だからこそ数字がひとり歩きしやすい。
つまり簡単に言うと、リモート勤務経験者の2割が地方・郊外暮らし。20代で最多。ただし数字の出どころは1社の自社調査です。
覆面が気になったところ
小生が引っかかったのは、この数字の「出どころ」です。
今回の調査を実施したLASSICは、場所にしばられない働き方を広める事業をしている会社。地方リモートが普及しているというデータは自社の事業PRにもつながる立場です。悪いことではありませんが、独立した第三者が確かめた数字ではないという点は覚えておきたいところ。
そして「移住の受け皿」という言葉。21.8%の中身は移住した人だけではありません。もともと地方に住んでいた人も混ざっています。移住だけを指す数字ではないというのは大事な区別です。
さらにややこしいことに、LASSICは8月10日にも別の「困りごと調査」を発表しています。今回(8月21日公開)とは別物。人数の表記も1,004人だったり1,005人だったりと資料によって揺れが見られます。混同しないよう気をつけたいです。
反対側から見ると
一方で、自社調査だから価値がないとは言えません。
リモート勤務の実態をまとめて数字にする試みは、それ自体が参考になります。20代が地方リモートに前向きというのも肌感覚とそう遠くない気もします。データがなければ議論も始まりません。
要は、鵜呑みにも全否定にもせず、「1社が自分の関心分野で出した数字」として距離を取って読む。それがちょうどいい付き合い方かなと思うのです。
数字は嘘をつかない、けれど「誰が何のために出したか」まで読むと景色が変わります。
覆面のひとこと
地方リモートが広がるのは、地方暮らしの小生には素直にうれしい話です。ただ、見出しの威勢のよさと数字の中身は分けて読みたい。「移住の受け皿21.8%」と聞いて飛びつく前に、その内訳と出どころを一度のぞく。それだけで、ずいぶん冷静になれます。数字は味方にも道具にもなるのです。
まとめ
- LASSIC運営のテレリモ総研が、リモート経験者1,004人に調査を実施
- 地方・郊外リモート勤務者はフルリモ・ハイブリッドで21.8%、フル出社で4.9%
- 年代別は20代が32.6%で最多、50代が6.0%で最少
- 移住に関心がある人は12.3%
中讃地区も、瀬戸大橋やJRで都市とつながる土地です。会社に通わず働ける人が増えるなら、ここに住みながら遠くの仕事をする暮らしも夢ではありません。まずは数字の中身を見きわめてから、そろりと考えたいところです。



