「着る冷凍服」がマイナス5度に進化 猛暑ウェア商戦の熱すぎる裏側

覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。

何が起きた?

猛暑向けの「快適ウェア」商戦が、年々アツくなっています。中心にいるのがワークマン。電気を流すと片面が冷える電子部品(ペルチェ半導体といいます)を体に触れる部分に仕込んだ、ベスト型の冷房服を売り出しています。通称「着る冷凍庫」「着る冷凍服」。

建設現場でよく見る、服に扇風機がついたファン付きウェアとは冷やし方が違います。あちらは風を送るタイプ。こちらはプレートそのものが冷たくなるタイプです。

2026年モデルの「ICE×HEATERペルチェベストPRO3」は税込1万9800円。上位版のスペシャルエディションは2万9800円。首元や背中など5カ所にデバイスを積んでいます。

メーカー公表値では、電源を入れると最速およそ1秒でプレート表面がマイナス5度まで下がるとのこと。前のモデルのマイナス3度から冷やす力を上げたそうです。冷え過ぎを防ぐ「ゆらぎモード」もあります。

なぜ話題?

背景には、去年6月から始まった「職場の熱中症対策の義務化」があります。企業が現場の暑さ対策をしなければならなくなった。すると需要が一気に増えました。

2025年モデルは4〜5月でほぼ完売。梅雨明け以降は欠品状態に。ワークマンは2026年、前年のおよそ2.5倍にあたる約25万点、売上50億円を計画しています。

会社全体の業績も過去最高。2026年3月期は全店売上高が前の期より14.3%増えて2092億円。夏物の冷房服だけでなく、着て休むと体が楽になるとされる「リカバリーウェア」も一般に広がっています。

つまり簡単に言うと、猛暑と職場の暑さ対策義務化を追い風に、ワークマンの「着る冷凍服」など快適ウェアが売れに売れて、各社の商戦が過熱しているという話です。

覆面が気になったところ

数字の勢いは本物のようです。ただ気になる点を三つ。

ひとつ。「マイナス5度」「約1秒」はメーカーの公表値です。どんな条件で測ったかまでは今回確認できていません。カタログの数字は前提つきで読むのが小生の癖です。

ふたつ。冷房服は暑さをやわらげる道具であって、熱中症を完全に防ぐ魔法ではありません。着ているから大丈夫と油断すると、かえって危ない。ここは強めに言っておきます。

みっつ。過去に完売・欠品が起きています。いちばん暑くて必要な時期に、必要な人へ届くのか。ここは去年の宿題のままに見えます。

反対側から見ると

応援したい面もたくさんあります。暑さで人が倒れる時代に、選べる冷却手段が増えるのは素直にありがたい。低価格帯が広がれば手が届く人も増えます。

義務化された企業や、炎天下で働く人にとっては、選択肢があること自体が助けになります。市場が広がれば、他のメーカーも工夫を競う。競争は消費者の味方になりやすい。

一方で、在庫確保の競争についていけない中小の同業者には、しんどい展開かもしれません。得する人がいれば追われる人もいる。

冷房服は「補助」であって「保険」ではありません。水分と休憩を捨ててよい理由にはならない。

覆面のひとこと

45℃を再現したブースで体験会というのは正直よく考えたと思います。暑さは言葉より体で分かる。ただ小生が忘れないでほしいのは、道具が進化しても人の体が丈夫になったわけではないということ。マイナス5度のベストより、まず日陰と一杯の水。順番を間違えなければ、こういう商品はきっと心強い味方になります。

まとめ

  • 確定した事実:ワークマンがペルチェ式の冷房服を展開し、2026年モデルは公表値でマイナス5度・最速約1秒。PRO3は1万9800円。2026年3月期は過去最高業績。

讃岐の中讃も夏はしっかり暑い。田畑や現場で働く人、外を歩く人にとって、こういう一枚が届くかどうかは他人事ではありません。ベストの前に、まず日陰と水を。

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