高校授業料『無償化』4月スタート、でも無償なのは授業料だけ問題【覆面@まるつー】

覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。

何が起きた?

2026年4月1日、高校の授業料を国が肩代わりする「就学支援金」の制度が拡充されました。改正法は3月31日に参議院で成立し、翌日から施行です。

柱は二つ。まず、これまであった「世帯年収の上限 (所得制限)」を、私立を含めて撤廃しました。次に、私立高校(全日制)への支給上限を一律で年45万7,200円に引き上げます。従来は年収に応じて年11万8,800円〜39万6,000円でしたから、上限がぐっと上がった形です。

私立通信制高校も年33万7,000円 (従来29万7,000円)に引き上げ、こちらも所得制限なしです。

なぜ話題?

文部科学省の試算では、新たに支援が広がる対象は約80万人。うち年収約910万円以上の世帯だけで約45万人と、これまで対象外だった高所得世帯が新たに恩恵を受ける点が大きな変化です。

この拡充は、2025年2月の自民・公明・日本維新の会の3党合意がもとになっています。同じ国会では、公立中学校の35人学級を定める法改正も成立しました。

つまり簡単に言うと、高校の「授業料」だけは所得制限なしで国が負担、私立は上限45万円台に。ただし無料になるのは授業料だけ、です。

覆面が気になったところ

小生がまず言いたいのは、「無償化」という言葉のふくらみ具合です。無料になるのは授業料だけ。入学金・施設費・教材費・制服代・通学費・修学旅行費・部活動費は、これまで通り家庭が払います。ここは制度の設計上そう決まっているので、勘違いしないよう強めに書いておきます。

「無償化」で無料になるのは授業料だけ。制服も教材も修学旅行も、財布から出ます。

もう一つ。支援金は毎年度、申請が必要です(オンラインのe-Shienなど)。入れておくだけで自動、ではありません。申請忘れという落とし穴、なんとかならないものかと小生はぶつぶつ思うわけです。

それから金額の表記。3党合意の文書では「45.7万円」、施行後の実額は「45万7,200円」と報じる例が多く、情報源で数字が微妙に割れています。断定はしません。

反対側から見ると

賛成側は、家庭の年収で子どもの進学先が狭まらない意義を挙げます。中間層 (年収約590万〜910万円)の負担軽減も実際に進みます。

一方、懸念もあります。報道によると、公立高校の志願倍率が下がる「公立離れ」や、私立が授業料以外の名目で値上げする「便乗値上げ」を指摘する声があります。ただし、これらは因果関係が確定した事実ではなく、現時点では懸念・報道の段階です。都道府県には拡充に伴う地方負担 (4分の1)が生じ、財源をめぐる議論も続いています。

覆面のひとこと

所得制限をなくすと、高所得世帯にも公費が流れます。「線引きの手間や不公平をなくす」考え方と、「限られた財源をどこに厚くするか」という考え方は、正直ぶつかります。どちらが正しいと言い切れる話ではない。だからこそ、便乗値上げの監視と、授業料以外への支援がちゃんと届くか、そこを見ておきたいと小生は思うのです。

まとめ

【確定した事実】所得制限撤廃と私立全日制の上限引き上げは4月1日に施行済み。対象は授業料のみ。申請は毎年度必要。約80万人が新たに支援対象になる見込み。

【見方・報道にとどまる部分】「公立離れ」「便乗値上げ」は懸念・報道段階で、因果は未確認。民間塾の調査は標本が限定的。財源議論は継続中。

讃岐の中讃でも、私立と公立の両方から高校生が育っています。授業料の先に残る制服代や通学費まで見てこそ、この制度の値打ちが分かるはずです。

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