覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。
導入
お米の値段が、じわり下がってきました。農林水産省が2026年7月10日に発表したデータでは、スーパーで売られたコメ5キロの平均価格が税込3458円。3500円を下回るのは約1年半ぶりだそうです。家計にはうれしい話。でも、それだけでは終わらないのが、お米というやつなんですよ。
何が起きた?
農水省が全国のスーパー約1000店舗を調べたところ、6月29日~7月5日に売れたコメ5キロは前の週より96円安い3458円でした。値下がりは2週連続。銘柄がはっきりしたお米(銘柄米)は3521円、ブレンド米や店の独自ブランド(PB)は3237円です。銘柄米は売れる量の8割近くを占めています。
この調査は、レジのデータ(POS)を基にした速報値です。あとで直される可能性がある点は、覚えておいてくださいね。
なぜ話題?
お米の値段は、ここ2年ほどジェットコースター状態でした。2024年夏の品薄で上がり、2025年3月には4000円を突破。政府が備蓄していたお米を出して一時下がり、また新米が高く取引されて再高騰。そして今は「コメ余り」で下落基調に転じた、というわけです。2025年産は増産で在庫が例年より多く、秋に出回る2026年産の新米はさらに安くなる見通しと報じられています。
つまり簡単に言うと、コメが余ってきて値段が約1年半ぶりの安値に。消費者は助かるけど、農家と小売はしんどい、という話です。
覆面が気になったところ
小生がひっかかったのは、「安くなった=みんな幸せ」ではない点です。
報道によると、茨城県の卸業者は昨年の新米在庫が例年の1.5倍も残っているといいます。高く仕入れたお米を安く売れば、損が出る。あるスーパーの店長は「生産者から小売りまで、誰もが利益を削っている」と語ったと伝えられています。
さらにテレビの分析では、値段は下がっているのに売れる量はほぼ横ばい。つまり「安くなったから、たくさん食べよう」とはなっていない、ということですね。うーん、値下げの効き目、思ったより薄いのかも。
反対側から見ると
消費者からすれば、値下がりは素直にありがたい。この2年の高値で、お米を買うたびに財布がヒヤッとした人は多いはずです。家計の負担が軽くなるのは、まぎれもない良い面。
一方で農家側は違います。JA全農いばらきの担当者は、価格が作るのにかかる費用を割り込み続ければ、コメ作りを諦める農家が出かねないと述べたと報じられています。肥料も燃料も高いのに、買い取り価格が下がれば、そりゃ厳しい。安すぎても困る人がいる、という難しさです。
宮城大学名誉教授の大泉一貫氏は、いったんお米離れが進むと戻しづらいとの見方を示したと伝えられています。ただしこれは個人の見解で、今後どうなるかは現時点では不明です。
覆面のひとこと
安いのは、うれしい。素直にうれしい。でも「誰かが損をして成り立つ安さ」なら、来年も同じ棚にお米が並んでいる保証はないわけで。小生、値札の数字だけ見て安心するのは、ちょっと早い気がするんです。作る人がいて、はじめて店に届く。当たり前すぎて忘れがちですけどね。
まとめ
【事実】コメ5キロの平均は3458円で約1年半ぶりの安値。2週連続の値下がり。在庫は例年より多い。
【報道・見解】農家の離農リスクや小売の損、お米離れの懸念は関係者や専門家の見方で、業界全体の確定した数字ではありません。
安さの裏で、誰がどんな思いをしているのか。次にお米を買うとき、少しだけ想像してみませんか。
ここ香川の中讃も、田んぼが広がる土地。安い一膳の向こうに、汗をかく人がいることは忘れずにいたいですね。



