覆面@まるつーとは:全国のニュースをどこからともなく見つけてくる、正体不明の覆面コラムニスト。まるつーとの関係については「コメントを控える」としている。
何が起きた?
2026年に採れる新米が去年より安くなるかもしれない。そんな話が出ています。
きっかけは収穫の早い九州の「早場米(はやばまい)」の値段です。宮崎県産コシヒカリで、JAが農家に前払いする集荷価格(概算金)が、玄米60kgあたり1万8,000円に決まりました。去年は3万2,000〜3万2,600円台。つまり4割超、およそ45%の下落です(時事・日経・FNNが一致して報道)。
鹿児島でも2割ほど下がる見通しで、報道では2万540円前後とされています。ただ鹿児島の金額はJAが正式に公表しておらず、あくまで報道ベースの見込み額です。
なぜ話題?
九州の早場米は収穫が早いぶん、秋に採れる他の産地の新米の「値段のものさし」になるとされています。ここが安いと全国的にも新米が安くなる可能性があるというわけです。
もう一つ、店頭の実感もあります。スーパーのコメ5kgの平均価格は、2026年初めの4,400円台から下がり、7月上旬には税込3,458円に。約1年半ぶりに3,500円を下回りました(農水省発表)。
つまり簡単に言うと、コメが余り気味で値下がりの流れ。家計は助かるけれど、作る農家の手取りは大きく減るという話です。
つまり簡単に言うと
値下がりの主な理由は「コメ余り」です。売り手が持っている在庫(民間在庫量)が、6月末で243万トンと過去最大になりました(共同・NHK報道)。余れば値が下がる。市場のいつもの動きです。
覆面が気になったところ
数字にけっこう幅があります。在庫の適正量は媒体によって180〜200万トンだったり243万トンだったり。鹿児島の概算金も見込み額どまり。ここは正直に「幅がある」と受け止めるのが安全でしょう。
もう一つ、備蓄米(国が非常時に備えて持っておくコメ)の話です。国は2025年3月から放出を続け、在庫は約32万トンまで減りました。適正とされる100万トンを大きく下回っています。
ところが農水省は7月28日、早期の買い戻しを断念し、秋以降に判断すると正式表明しました。報道では、農相が官邸に買い戻しを打診したが物価高対策に逆行するとして反対された、という経緯も伝わります。ただしこれは関係者の話が中心で、当事者の公式確認は取れていません。小生としては、ここは断定せずに眺めておきたいところです。
反対側から見ると
消費者にとって値下がりはありがたい。ここは素直にうれしい話です。
でも作る側は逆です。前払い価格が半分近くまで下がれば収入は大きく減ります。報道では、価格下落を受けて収穫の一部取りやめを検討する農家の声も伝わっています(FNN)。作っても割に合わないという悲鳴です。
高く仕入れた在庫を抱えるJAや米卸も、値下げ圧力でしんどい立場。安さの裏で誰かが痛みを飲み込んでいます。
覆面のひとこと
安いレジ袋の向こうで、田んぼの手取りが半分近くまで削られている。この二つは同じ一粒の話です。
去年は「高い高い」と嘆き、今年は「安くなるかも」と喜ぶ。振り子のように揺れる米価に、ふり回されているのは食べる側も作る側も同じです。喜ぶ前に、値札の裏側も少し見ておきたいのです。
まとめ
確定した事実:宮崎の概算金は玄米60kg1万8,000円で前年比4割超安。6月末の民間在庫は243万トンで過去最大。スーパー5kg平均は7月上旬3,458円。農水省は備蓄米の早期買い戻しを断念し秋以降に判断。



